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コンセプトワークの失敗と成功を教えてくれるボードゲームたち

コンセプトワークの失敗と成功を教えてくれるボードゲームたち

お店や会社の雰囲気、世界観を定義することがブランディングです。

ブランディングを商品に反映させたのがコンセプトワークです。コンセプトワークがしっかりした商品は、商品単体で世界観を感じさせます。

だけどコンセプトワークって、具体的に説明しにくいです。なにか分かりやすい例がないかな、と思っていたら、ボードゲームにありました!

早速解説していきます!! 

ボードゲームをしてると、コンセプトワークの違いに気づく?

ボードゲームは、テレビで特集されたり、芸能人がYouTubeでプレイ動画を上げたりして、徐々に人気が高まっています。

ボードゲーム専用サイト「ボドゲーマー」に登録しているボードゲーム専用カフェの店舗数推移を見てみると、2015年は全国に20店舗足らずしかありませんでしたが、2021年3月現在で、452店舗にまで増えています。5年で店舗数が約20倍超。隠れたブームなんです!

ボードゲームは年間で300種類、1,000ものタイトルが発売されて、様々な仕組みやストーリを持っています。

そして色々なボードゲームを楽しんでいると、しっかりとしたコンセプトが有るゲームと無いゲームがあることに気づきます。コンセプトの違いは、ボードゲームのどのような点に現れるのでしょうか?

コンセプトワークが足りない、茶器を買い付ける商人のゲーム「すきもの」

まず紹介したいのが、茶器を仕入れてきて転売し、利益を競う「すきもの」というゲームです。

商人、会社を大きくするビジネス系ゲームは数あれど、茶器を商材にしているゲームは他にありません。

おもわず興味をそそられる、茶器商人のアイディアは見事だと思います。

「すきもの」の茶器カード

茶器の絵も他のゲームに比べると綺麗で、アートワークにへのこだわりを感じます。

ゲーム愛好家たちからの評判もよく、「すきもの」を作った会社は、ドイツの年間ボードゲーム大賞(ドイツやフランスでは、その年に発売されたゲームから、大賞を決めるイベントがあります)にノミネートされた実績を持っていますが、その会社の最高傑作ではないかと推す方もいるほどです。

ですがこの「すきもの」は、コンセプトワークの観点から見ると疑問符が付きます。

どこに疑問符が付くのか? まず挙げたいのが、茶器カードです。

茶器は美しく、背景もこだわって描かれているのですが、言ってしまえばそれだけです。描かれている茶器がどんな一品なのか、その説明が全くありません。

長々とした説明は野暮なので必要ありませんが、製造された年や、1、2行の逸話が載っていると「へえ」と、茶器の歴史の奥深さを感じられると思います。

「すきもの」の商材の茶器

例えば上の黄金茶釜は、豊臣秀吉が作った黄金茶室で使われた茶器の一つです。そのような文言が1行入るだけで、茶器カードは歴史を感じさせ、更に趣のあるゲームに変わります。

茶器に付随する茶道と歴史を取り込めていないのは、コンセプトワークとして、深い歴史的な考察をされていないからだと思います。

第一次世界大戦を描いた名作「グリッズルド」

次に取り上げたいのは、2017年にドイツボードゲーム大賞のアラカルト賞を受賞した、第一次世界大戦が題材の名作「グリッズルド」です。

戦争が題材のゲームは、すきもののようなビジネス系よりも更に数多く見られます。囲碁、将棋、チェスのように、古くからあるボードゲームは総じて、戦場が舞台となっていることからも、戦争はボードゲームの定番かもしれません。

戦争モノは一般的に勝敗を争うゲームがほとんどですが、「グリッズルド」はまずその点が違います。

「グリッズルド」は、同じ村から戦争に駆り出されたおじさんが、仲間と共に戦場から生きて帰るゲームです。戦争を題材にしつつも、目的を勝ち負けに設定していない点に、作者の深い意図を感じます。

ゲームのスタートは、1914年8月2日のフランスとなっています。この日、村に召集令状が発行され、おじさんたちは戦争に出兵します。

実際に、8月3日にフランスはドイツから宣戦布告を受け、第一次世界大戦ヘ突入しました。具体的な日取りは、歴史考証の深さを物語っています。

登場するおじさんには全員名前が付いているのですが、実はこの方々は、作成スタッフのご先祖で、実際に戦争を経験した人たちだそうです。

更に、第一次世界大戦に出兵した兵士が残したメモを、ルールブックに載せています。
戦争の戦いの側面ではなく、戦場の兵士たちにスポットを当てたゲームを作るうえで、兵士たちの言葉やメモは重要な手がかりだったのだと思います。

細部までこだわって作られた「グリッズルド」は、戦場の兵士の心情を感じさせる、まさに名作です。

2つの作品の差はコンセプトワーク

「すきもの」の茶器も、「グリッズルド」の戦争も、どちらも興味を引くテーマですが、どちらかと言えば、戦争よりも茶器の方が、珍しくて刺さりやすいように思えます。

ですがゲームをプレイしたり、カードやルールブックに触れてみると、2つの作品は歴然としていて、プレイ後の満足感や感想も全く違います。

2つの作品の差は前述したとおりですが、根底にあるのは細かいところまで作り込もうとしたか、歴史を知ろうとしたか、表現しようとしたか、ではないかと思います。

「グリッズルド」の作者には、戦争と兵士の人生を表現してゲームに込めようという意図があるのですが、「すきもの」の作者には、なぜ茶器を題材にしたのか、その意図がありません。強いてあげるなら、興味をひきやすいからだと思います。

表現したい想いが無ければ、細部へのこだわりや作り込みの行動が生まれてきません。デザインや音楽、演劇や飲食店の内装など、想いを形にするコンセプトワークが弱くなるのです。

良質なコンセプトワークのお手本は、アートの世界で数多く見ることが出来ます。

ピカソは反戦の意志をゲルニカに込めました。
チャップリンは独裁者や資本主義への怒りを映画に込めました。
ジョンレノンは平和の尊さを歌にしました。

ですのでコンセプトワークの遂行力を高めるためには、アートを学ぶことが一番早いのですが、絵画や音楽ではピンとこない方は、ボードゲームでコンセプトワークを学ぶのも一手だと思います。

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